同じ業務内容で、より良い条件の会社があるはず
業務内容が同じなら、より高い待遇の方が良いと考えていませんか?
今回紹介するのは、前任者が退職するため、1か月間の引継ぎを受けて業務を交代することになった50代エンジニアの事例です。
「前職と似た仕事だから大丈夫」と思って臨んだものの、実際には引継ぎ期間が短く、業務負荷やスキルのギャップに直面し、想像以上に苦しい現実を経験することになりました。
結論から言えば、このケースでは「転職しなければよかった」という後悔に至っています。
同じ業務でも桁が違うと別業務
53歳の情報システム担当のAさん。
以前は小規模企業の情報システム部門で、サーバ運用・簡単な障害対応・PC管理など幅広く一人で担当していました。
転職は経験者枠で、300名規模の企業のインフラ基盤担当に転職。ポジションは「1人インフラ担当」です。会社の規模が大きいと給与も多い、そう喜んでいました。
しかし入社後すぐ、次の現実が待っていました。
- 前任者は非常に優秀で、1年で完全独り立ち+定時退社していた
- 実際の業務は、仮想化基盤の運用、ネットワーク設計変更、障害時の即時対応、月次レポート作成、ベンダー調整など多岐に渡る
- 前職では経験のなかったネットワークの深い知識や、基幹システム連携の運用まで求められる
Aさんは引き継ぎで残業3時間が毎日続き、入社2週間で残業25時間超え。
週1回、社内の他部署からインフラ経験者が1時間だけフォローに来ますが、業務は終わりません。
会社から見れば「前任者は定時退社していたのに、なぜあなたは残業?」という評価。
転職失敗のポイント
このケースの本質は、本人の努力不足ではなく「会社側の人員配置と期待値設定ミス」です。
- 業務量の過多
300人規模のインフラ保守を一人で任せるのは非現実的。
前任者が特別優秀でこなせただけの話であり、それを基準に新しい人材を評価している。 - スキルマッチの欠如
面接で未経験領域があると伝えていたのに、そのまま採用&単独配属している。
組織側の教育・サポート体制が欠如している。 - バックアップ体制の不備
フォローが週1時間だけでは、実質的には放置と変わらない。
転職の後悔
50代IT転職では、「前職と似た仕事だから大丈夫」という思い込みが最大の落とし穴です。
業務規模・チーム体制・未経験領域の有無を軽視して入社すると、今回のようにスキル不足の烙印を押され、精神的にも追い込まれます。
まとめ

この事例から言えるのは、「もっと良い待遇があるはず」という理由だけで転職を決断するのは危険だということ。
50代では、転職後の環境適応に時間がかかり、組織側の期待と自分の実力が合わない場合、短期間で「失敗した」と感じやすくなります。
薄々気が付いていると思いますが、同じ仕事内容で待遇が良い会社など無いのです。
絶対の自信が無ければ、転職はヤメトケと言うのが転職を失敗した私からのアドバイスです。
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