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PMPは本当に必要?「PMPいらない」と言われる理由と判断基準

PMPは本当に必要?取得のメリットと不要と言われる理由

「PMP(Project Management Professional)を取得すべきか迷っている」「ネットでは『PMPは不要』という意見もあるけど本当?」――そんな疑問を抱える人は多いです。確かに、PMPは資格取得のコストや条件がハードで、「意味がない」「使えない」と言われてきた歴史があります。本記事では、PMPが「いらない」と言われる背景を整理し、あなたの立場や目的次第でどう判断すべきかを明快に示します。読むことで、「PMP取得すべきか/スルーすべきか」の判断材料が整理できます。

なぜ「PMPはいらない」と言われるのか

高いコストと維持のハードル

PMPは取得だけでなく、その後の維持にもコストや負担がかかるため、「時間・お金に見合わない」と感じる人が多いです。具体的には、受験には公式研修+試験費用、さらに3年ごとに更新のために所定の勉強(PDU取得)が必要です。例えば、非会員で受験すると費用は555ドル前後(約8.3万円+研修費用など)、更新のたびに追加のコストと時間を要します。3年後にも継続して学び直す必要があるので、仕事や生活が忙しい人にとっては負担が重いでしょう。資格取得+維持に必要なコストを考えると、「本当に必要な人以外には割に合わない」と感じられることがあるため、「いらない」と言われがちです。

実務経験やスキルがあれば資格は「飾り」になりやすい

すでに豊富な実務経験や高いマネジメントスキルがある場合、PMPは必ずしもプラスにならないことがあります。PMPが問うのは知識体系や方法論であり、実務上の成果や経験、チーム運営力とは別物だからです。業務で結果を出していれば、資格がなくても十分評価されるケースが多いです。たとえば、長年プロジェクトマネジメントに従事し、実績を上げてきたPMなら、PMPが加えられても差別化につながらない、あるいは応募条件で必須とされる場以外では資格を重視されにくいことがあります。経験とスキルで勝負できるなら、PMPは選択肢のひとつであって必須ではない、という考え方には合理性があります。

日本国内での認知や業界依存の限界

PMPの国際的な価値は高いものの、日本国内では業界や企業によっては重視されず、「資格だけでは通用しない」とされることがあります。その理由は、日本では実務経験やスキル、実績を重視する企業も多く、PMPを持っているだけで即戦力とみなされる保証が無いためです。また、PMPは「国際資格」だが、すべての職場でその価値が評価されるわけではありません。「PMP必須・歓迎」と書かれていない求人であれば、むしろ業務経験や実績、面接でのアピールの方が重視され、PMP有無は大きな差にならないことがあります。PMPが有利になるのは、国際案件やPM重視の企業に限られるため、日本国内で働く人すべてにとって必須と言う訳ではありません。

それでも「PMPは有益」とされる場面

未経験者やキャリア転換を図る人には価値あり

プロジェクト管理の経験が浅い人や、異業種からPMへキャリアチェンジを狙う人には、PMPは有効なステップになり得ます。PMPは国際的に認知されている資格であり、プロジェクトマネジメントの体系的な知識とスキルセットを証明する手段となるからです。

PMP受験生
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業界未経験者や若手エンジニアが、PMO職やプロジェクト管理職を目指す際、PMPが「基準」「証明」として作用しやすい場面があります。また、他の資格や経験がなくても、PMP取得によってプロジェクト管理の思想や理論を身につけられます。経験が浅い/実績が少ない段階で「プロジェクト管理スキルあり」をアピールするには、PMPは有力な武器になります。

国際案件や外資・グローバル企業では有効

グローバル案件や外資系企業、国際プロジェクトを扱う環境では、PMPの国際資格としての価値が活きやすいです。PMPは米国Project Management Institute(PMI)が認定する国際資格で、世界180カ国以上で通用すると言われています。多国籍チームとの協働、海外オフショア開発、海外クライアントとのプロジェクト管理などでは、共通言語としてのPMBOKベースの知見や認知資格は有利に働くことがあります。国際性が求められる環境では、PMPの資格としての重みが他より強くなります。

あなたが「PMPいらない」と判断すべきケースとは?

すでに十分なPM経験と実績がある場合

長年のPM経験や実績があり、実務で成果を挙げてきたなら、PMPをあえて取る必要は少ないかもしれません。PMPは体系的な知識と基準を証明する資格ですが、実務経験と実績こそが多くの企業でより重視されるからです。資格だけでスキルを保証できるわけではありません。数多くのプロジェクトを主導し、成果を出してきた場合、履歴書や面接でその実績を示すことで十分評価されることがあります。新しい資格を取るより、これまでの成功事例を整理・可視化する方が効果的な場合もあります。すでに実力と実績で勝負できるなら、PMP取得は必須ではない、という判断は妥当です。

コストや時間が見合わない、あるいは更新が負担になる場合

受験費用・研修費・更新のための勉強時間・PDU取得などの負担が負荷と感じるなら、PMPは不要と割り切るのも合理的です。特に忙しい人や家庭・他資格とのバランスがある人にとっては、継続して資格を維持するコストや時間が大きな負担になりがちです。日中業務が多く副業・再就職の準備をしながら、さらにPMP更新のための学習やPDU取得に時間を割くのは難しい、という人もいます。そうした人にとっては、コスト対効果が低いと判断される場合があります。労力やコストが大きく負担となるなら、PMP取得/維持は必ずしも合理的ではありません

まとめ

PMPは条件やコストが厳しく、「いらない」と感じる人が多い資格です。一方で、未経験者やキャリア転換を狙う人、国際案件やグローバル企業で働きたい人には有効な武器となり得ます。あなたがこれまでの実績で勝負できるなら無理して取る必要はなく、時間やコスト、更新負担を考えると「スルー」も十分合理的です。一方で「履歴書上の信用」「グローバル適応力」「体系的なPM知見の習得」を求めるなら、PMP取得は価値があります。
まずは自身の今後のキャリアプラン、働き方、実績、目的を整理し、そのうえでPMP取得の必要性を判断しましょう。

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  • この記事を書いた人

やめとけ主任

運営者:ヤメトケ主任 1971年生まれ。東京都出身のPMPホルダー。岡山の高専卒業後、念願の東京で就職してインフラエンジニア一筋30年。50代前半で「PMPでもう一度キャリアアップを」と思い、IT業界内で転職に挑戦。 このブログでは、最後のキャリアアップと思って取得したPMP資格(一度落ちた)の失敗談や経験談をもとに、「リアルなPMP取得アドバイス情報」 を発信しています。

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